このところ美術館に行けていません。上野の美術館は緊急事態でそもそもやっていませんが、他も予約制だったりなかなか気乗りがしません。美術書を扱っている本屋さんとも話したのですが、やっぱりフラッと行きたいよねという人は多いようで私もその一人です。
美術館は一人で行く場合は前売り券を買って気が向いた日に行く感じでした。前売りも買わず本当に直感で入ることもありますが。子どもが未だお出かけに付いて来るような頃は家族で行ったりもしました。そういう時は前売り券を買いました。子どもは中学生迄は無料だったと思います。
だいたいが「行きたくない」という反応だった記憶なのですがフェルメールの「真珠の耳飾りの少女」が来た時は、子ども2人とも「それは見たい」と言って来たので皆んなで見に行きました。もう中学生だったので行かないと言ったら無理には連れて行かなかったと思います。学校の先生が言ったのかも知れませんね。
その展覧会は「マウリッツハイス美術館展」ということでフェルメールの絵以外にも多数出展があり、というかフェルメールの作品って30数点しか残ってなくてしかも世界に散らばっています。なので一回の展示では多くても5作品とか下手すると1作ということもあります。
一通り回ったあとウチの家族では恒例なのですが「一番気になった絵をもう一度見よう」ということで又展示室に戻りました。その時びっくりしたのですが展示室に戻って家族4人は全く同じ絵の所に来ていました。それもフェルメールの絵ではありませんでした。
その絵はカレル・ファブリティウス作の「ごしきひわ」でした。いつもはだいたいバラけるのですがこの時は一致してこの絵。下の娘がどうしてもレプリカが欲しいと言っていたのですが、流石に値段的に厳しく絵葉書でガマンしてもらいました。
カレル・ファブリティウスって誰?という感じですが、レンブラントの工房で働いた後デルフトで画業をしていた人です。ところが近所の花火工場の爆発に巻き込まれて死去、絵もかなり焼けてしまいました。現在確定している彼の絵で残っているのは10点ほどしかありません。
そんな情報も後で知った訳ですが本当に前知識も無く、皆んなで同じ物を良いと思ったというのはびっくりしました。一緒に生活しているから趣向も似るのか、それとも良いものは誰が見ても良いものということなのか答えはないんですけど。
その後上の息子は行くことは無くなりましたが、娘の方は絵画鑑賞が好きになってくれたようで一人で見に行ったりしているようです。鳥獣戯画も観に行きたかったようですが行きそびれて、多分会期は残っていないしと嘆いています。
今のワクチン接種のスピードだと希望している日本人全員に行き渡るのは来年末くらいになりそうだという話があります。となると来年も難しいのかなとか思っていますがこればかりはねえ…。今は画集を買って見たりで我慢しています。でも本物はやはり違うんですよね。何でなのかは解りませんけど。