週一で映画や音楽を取り上げていますが邦画の紹介は「セーラー服と機関銃」以来となります。「つばさ」「ツバキ文具店」はテレビドラマなので。図書館の邦画のスペースも狭いんですけどね。「二十四時間の情事」は日仏合作ですがやっぱりあれは洋画扱いですよね。
この映画、よくよく見たら1996年作ということでもう約四半世紀も前になってしまっていますね。この頃はバブルは弾けたものの、サラリーマンが都内に家なんてなかなか買えない時代ですから、主人公の家が所沢の先というのも結構リアルな設定ですよね。
洋画ですと設定自体が身近に感じないので、設定が多少リアルでなくともあまり気になりませんが、邦画はやはりリアルさに欠けると嘘くさく感じてしまいます。社交ダンスを見る世間の目も含めて非常に良く出来ていますよね。
でも引き込まれてしまえば多少無理のある設定も平気になるから不思議です。竹中直人さんの役はちょっとやりすぎですし柄本明さんの探偵は仕事をはみ出し過ぎです。でも物語に引き込まれたせいかどちらも気にならずに最後まで観ることができました。竹中さんはいつも通りか。
「価格15000円」の文字が踊っています。大切に扱いましょうね。あ、金額は関係無く。因みに裏面に図書館等使用許諾証というシールが角川書店銘で発行されていました。かなり厳重な扱いですね。中はそれなりに傷がありますけど。
役所広司さんは丁度この頃脂が乗っていて日本アカデミー賞の常連になっていました。時代劇も現代劇も卒なくこなす貴重な役者さんですね。この作品でも冴えない中年男の役をしっかりこなしています。でもダンスを習っていく内に何となくイイ男になって行く感じも良いですね。イイ男なんだから当たり前か。
脇では草村礼子さんがすごく良いです。ダンスの先生役ですがこんな先生になら習いたいと思わせる役です。生徒だけでなく腐っている草刈民代さんを巻き込むことによって彼女の心を開くキッカケになる役ですが、本当に優しさに包まれるように感じられました。
この頃この映画とウッチャンナンチャンのバラエティで社交ダンスブームが起こります。その影響もあるのか日本って社交ダンス人口世界一だそうです。私自身はなかなか踏み出せませんけど。映画自体は本当に構成のしっかりした良い映画です。日本アカデミー賞主要部門総なめも納得の一本になっています。