ビー・ジーズをフィーチャーした音楽映画というと前に「小さな恋のメロディ」を紹介しました。あの時のビー・ジーズは未だ世界的な人気を得ていたとは言えない頃でした。でもあの頃のビー・ジーズの繊細なメロディ、ハーモニーも大好きなんですけど。
「小さな〜」の時は過去の曲の提供のみだったのですが、本タイトルは所属レーベルのRSOが映画を製作したこともあり彼らも一部映画にも関わっています。映画のタイトルも彼らの意見を取り入れています。
ストーリー自体は大したことはないのですがブルーカラーの鬱屈とか、マンハッタンとブルックリンの違いとか今でも続く貧困の問題を捉えています。それが主題ではありませんが。そんな中ディスコではキングとして輝いている貧しい青年が主人公です。
何かブルース・スプリングスティーンの「ダンシング・イン・ザ・ダーク」の歌詞も近い感じですが、ブルーカラーの共通の不満とかそういうことなんでしょうね。アメリカン・ドリームなんてとてもとても。
主演のジョン・トラボルタはこの映画一本で一躍スターとなります。その後の「グリース」もヒットしますが以降は低迷します。その後「パルプ・フィクション」で復活し今は演技派の役者さんとして活躍中です。
私は今でもトラボルタが出る映画でダンス・シーンがあると「出たぁ、十八番!」とか思っちゃうんですよね。何かね。あと唄の時はこの人もの凄く声が高いです。グリースでの「愛のデュエット」はオリビア・ニュートン・ジョンとのデュエットなのですが最初どっちがどっちの声だかわかりませんでした。
共演ですがDVDのカバーでもトラボルタ以外のキャストがヒロインのカレン・ゴーディしか書いていません。要するにこれは音楽映画でビー・ジーズの音楽が売れれば良かっただけなんでしょうね。制作側の意図としては。結果サウンドトラック盤がとてつもないヒットとなりますし4曲ものナンバーワンヒットを生み出しました。
個人的には主人公トニーの部屋の映画ロッキーとブルース・リーとファラ・フォーセットのポスターがいい味出しているなあと思います。70年代後半の青年の憧れが詰まった部屋で鬱屈とし週末はディスコで憂さをはらす。ビー・ジーズの音楽が無ければ本当は随分暗い映画だと思います。今となってはそれも懐かしいのですけど。