80年代から90年代の洋楽ファンなら間違いなく説明不要の人フィル・コリンズですが90年代の終わりくらいから失速、腱鞘炎の問題もあり引退、復帰など繰り返している内に日本ではほとんどその名前を聞くことがなくなりました。
同時代のマイケル・ジャクソンやマドンナなんかはラジオでも良く掛かっていますし、ワム!やカルチャー・クラブなんかはDJやラジオ・パーソナリティの趣味とかで紹介されることも良くありますが、この人の場合はそういうこともあまりありません。
でも80年代に7枚のNO.1シングルというのはマイケル・ジャクソンの8枚に次ぐ記録です。マイケルはポール・マッカートニーとのデュエット曲込みですのでフィルもジェネシスでの1曲を含めればほぼ互角となります。本当に何を出しても売れていたという印象です。
彼の所属していたジェネシスというのはプログレッシヴ・ロック・バンドで、ヒットチャートとはあまり関わりのない、特にシングルは売れない感じでしたがフィルが主導権を握ってからはポップに変身、ヒット連発となりました。
そんなフィル・コリンズのヒット曲を纏めたのがこちらのアルバムです。いや、これだけヒット曲があると知っている曲ばかり並び、忘れていた曲も思い出して聴きました。いやはや懐かしい。
「恋はあせらす」とか「恋はごきげん」「トゥルー・カラーズ」といったいったカバー曲、デュエットの「イージー・ラヴァー」オリジナル曲の「夜の囁き」「見つめて欲しい」あげてたらキリがないですね。
サラッと書いていますがバラードありダンス・ミュージックあり、とはいえバラードが多い気がしますが。バンドでは重厚なプログレ曲もこなしていた訳で本当に懐の深いミュージシャンだと思います。
ライブ・エイドのアメリカ会場で「夜の囁き」を歌っていた時に、アメリカ国旗プリントのビキニの女性が手をギュッと握りしめて聴いていた所をカメラに抜かれていたのがとても印象的でした。本当に恋する乙女な表情をしていました。
ライブ・エイドではイギリス会場とアメリカ会場両方に出た唯一のミュージシャンとしても知られています。コンコルドで移動して。そのコンコルドも全て退役しましたし時代は変わります。でも音楽はこうして録音が残っていれば又聴ける良い時代に生まれたんだなあと実感する今日このごろ。