川越市の北部に名細地区に上戸という所があります。上戸日枝神社の回でちょっと触れましたが、太田道灌さんが今の所に河越城を作る前に河越館があり行政の中心地だったということです。
但し河越城ができて直ぐに廃止になった訳ではなく、小田原北條氏支配時代にも砦のようなものは残っていたみたいです。その後徳川の時代になり平和な時代になったら当然要らなくなりますので、どんどん風化していったんだろうなあと想像しています。
ここは旧河越館の全ての敷地が開放されている訳ではなく、隣の小学校の庭に遺構がはみ出ていますし持仏堂が常楽寺という独立したお寺になっています。そういった物をそう簡単に動かすことはできません。でも地方の豪族の館としてはそれなりに大きい規模の遺構だと思いますし、ちょっと見て回るには充分広い遺構です。
見ての通り何にも無いという表現がぴったりしますが、井戸の跡やら堀の跡やらはあります。ただ広い草地が広がって堀などの窪みがありその辺りの解説文がそこここにある、そんな感じです。もう少し何か復元建築があったりするとお客さんも呼べるような気がしますが、余計な物を作って大切な遺構を壊されるよりマシかもしれません。どっちにしても子どもの遊び場にはなりませんしね。私のような中高年が散歩するには良い場所ではあります。
写真と反対側の入り口にお茶の標本木が植えられています。はい、河越茶です。でもあまり手入れがされていない感じです。この公園はせっかく整備したのにあまり知られていない感じでちょっと勿体ない気がします。売り出し方は私にもわかりません。地元の子どもたちの教育くらいですかね。ここも何かの折に思い出したら寄ってみて下さいね。