俳優さんがレコードを出すとたら今なら配信でしょうか。未だCDかも知れませんね。今井美樹さんなんかは歌手としても成功しましたね。寺尾聡さんはとんでもない大ヒットを飛ばしました。寺尾さんは唯一人のレコード大賞と日本アカデミー賞受賞者です。
取り敢えず成功しているところから例を上げましたが、俳優の音楽デビューはだいたい失敗しているという印象です。演技力と歌唱力ってあんまり比例しないという所ですね。失敗例は失礼になりそうなので具体例は上げません。
戸川純ちゃんについては、音楽活動と俳優活動がどっちもそれなりに上手く行った例にはなるのだと思います。思いますが歌手業が俳優業にあんまりプラスになってない感じの印象です。だいたいの俳優さんは下手だろうが自分の俳優イメージを崩さない楽曲をやるもので、上手い下手はその後というのが普通です。
このDVDはライブの音源とライブ映像にイメージ映像をミックスした作品になっています。歌唱力は十二分にありますし高音もしっかり出ます。ただニューウェイブ系に傾倒してこうなったのねという微妙な感じ。当時は何故この売り方?と不思議に思ったのですが本人の趣向みたいですね。
私は彼女がソロ歌手として活動する前のゲルニカの方が好きです。エセ戦前歌謡を演じる女優という本当に最高の役柄だったと思っています。上野耕路さんのプライベートの関係で休止し復活するもすぐ消滅してしまいました。
最初のゲルニカ休止後に契約が残っていたからだったと思いますが、アルファレコードに戸川さんは3枚のオリジナルアルバム、1枚のライブアルバム、1枚のベスト盤をソロとして残しました。ニューウェーブ系としては成功だったと思います。
そんな彼女の魅力が詰まったライブDVDですが表現力がやっぱり凄いです。代表曲の玉姫様やレーダーマンなんかは歌の世界に乗り移っています。又森の人々とか蛹化の女の幻想的な曲も綺麗に歌いこなしています。
奇抜な歌い方だったりパフォーマンスだったりで、お茶の間にはあまり適さない感はありますのであんまり万人にはお勧めはしません。テレビ出演の時も微妙な感じでしたね。でも何故か惹かれて40年近くも聴き続けています。