又々の紹介になりますがチャップリンの初期映画集の3本目です。「チャップリンの拳闘」「夕立」「チャップリンの駆落」「チャップリンの掃除番」の4本が収録されています。夕立は1914年作、それ以外は1915年作となっています。その夕立以外は全てヒロインにエドナ・パーヴィアンスが出ているいつものチャップリン映画です。
「拳闘」ですがボクシングをネタにしたドタバタという感じです。エドナはトレーナーの娘として登場しますが映画の流れからはあまり必要ない役柄です。本当に出てくるのが男ばかりなので花を添えただけという感じです。今の時代なら例えコメディでももう少しボクシングシーンにリアリティを持ち込むのでしょうが、このバカバカしさがチャップリンの真骨頂、いい感じです。
「夕立」は非常に展開の速いコメディです。一本の傘と女性を巡っての奪い合い。雨上がりの街中を舞台にして繰り広げられるドタバタ。結局ナンパは成功したの?という疑問はさておきです。15分の物語ですもの。
「駆落」を続けて見るとやはりチャップリンはコメディアンではありますが、ストーリーテラーになりたかったんだなあというのがよく分かります。先ほど年代で分けましたが夕立とそれ以外では所属会社も変わっています。この映画の後半のカーチェイスは今見るとのどかな感じですがだからこその笑いがあります。車もオーバーヒートしやすかったんでしょうね。
「掃除番」銀行の掃除人のドタバタですが今なら電化している掃除用具もモップやらホウキやらで、序盤はそれらを巧みに使ったドタバタをこれでもかと笑わせてくれます。後半は銀行強盗が現れチャップリン大活躍となりますが単なる夢落ちとなります。掃除のオジサンと銀行秘書が中々恋に落ちないですよね。やっぱり現実は…。
今の映画を見慣れている方にはやはり展開がゆっくりしています。でも映画黎明期の作品群です。何かの機会に観て頂けると100年前の人も今の人も、想いはそれ程の違いは無いことも理解出来ると思います。ディスクも比較的きれいですし。