このDVDのシリーズは「喜劇王」チャップリンの初期の作品がDVDで一挙に見られる、という感じですかね。「」を付けたのは最近使わないなと思ったからです。チャップリン自体はもう歴史の人、元ボクシング協会のアノ人のことじゃありませんよ、になってしまっているので、若い方は名前は知っていても作品を見たという人は少ないかもしれません。今はテレビでもやらないので。
映画産業自体も始まったばかりの頃の物ですので画質はさすがに悪いです。でも100年以上昔の映画と考えるとチャップリンの映画だからこそ大切に保管されていたのだと思います。前の東京オリンピックの資料映像もあまり保存状態は良くなかったですから。あ、ノイズ等はこのディスク個体の問題では無さそうです。そんなに傷は無かったので。
本タイトルは「チャップリンのカルメン」「ヴェニスの子供自動車競走」「チャップリンの失恋」「チャップリンの放浪者」の4作品を収録しています。「ヴェニス〜」以外は既にドタバタ喜劇から脱却しつつあるチャップリンです。チャップリン映画の女神エドナ・パーヴィアンスも美しい。
映画黎明期ということもあり明らかに着ぐるみのラバとか出ています。昭和のコントじゃないんだからとか思いましたが、これらの作品は日本で言えば大正期と考えるとまぁこんなものだったんでしょうね。でも作品は色褪せていません。又「失恋」と「放浪者」は美女のピンチを救って恋に落ちる、という同じテーマですが結論が違います。どちらもありな終わり方です。今も昔も人の心は変わらないということですかね。
又、作品の中でロマ族が悪く描かれているところがあります。ロマ族って私にとっては迫害を受けている民族というイメージでした。こういう野蛮なことをするから悪い奴らだという話なのかもしれませんが、今なら検閲を受ける感じですかね。古い映画はそういう所も見ると新しい発見があります。