先日ブライアン・ウィルソンが亡くなった時、こちらのタイトルをご紹介しようかどうしようか考えたのですがやめました。実はこのタイトル、未だ聴いていなかったんです。正直外したらどうしようとか考えてしまって聴けませんでした。
デニス・ウィルソンとカール・ウィルソンは既に他界。メンバーとしては現役メンバーでもあるマイク・ラヴ、ブルース・ジョンストンにアル・ジャーディン、ブライアン・ウィルソン、そして1960年代に少しだけ参加したデヴィッド・マークスの5人。
正直デヴィッドに関しては「そんな人がいたらしい」くらいの認識しかありませんでした。1980年代の終わりに彼らの伝記を読んでいたので何となく認識していました。初期曲の印税を貰っているらしいこともそこで知りました。
まあその伝記の中ではブライアンのかかりつけの精神科医によってブライアンが良い方向に向かっている、というところで終わっていました。でも現実は精神科医に主導権を握られ、もっと酷いことになっていたという…。

何だかんだで50周年という記念で生き残りのメンバーを再集結して出したのがこのアルバム。その後ツアーも行ったものの再度分裂して再々度集まることもなくブライアンは他界。なので多分彼らの最後のアルバムになります。
評論家、ユーザーレビューの皆さんの評判は概ね好意的だったのですが、私はあまり楽しめませんでした。70年代後半からのビーチ・ボーイズっぽい感じ。まあその年代も嫌いでは無いんですけど。
まあ70〜80歳代の方々に20〜30歳代のヒリヒリするような曲、演奏を求めるのは間違えています。それは理解しているんですがやはり、どうしても聴きたいのは明るい曲でも緊張感のある演奏であったりハーモニーなんです。
「カリフォルニア・ガールズ」の変拍子の前奏、「神のみぞ知る」も途中の間奏で緊張感を持たせたり、何か一筋縄では無いんです。このアルバムは本当に素敵なハーモニーを聴かせてくれるのですが、棘が本当に無いんです。
それなら昔のアルバムを聴けば良いんです。解っています。それに80年代序盤の「何じゃこりゃあ」と言いたくなるような物とは違います。でもブライアン追悼の時に聴かなかったのは正解だったと思いました。追悼でこの文章は無いと思いますので。