このところ不寛容について話をしていることが多い気がしますが、新型コロナ・ウイルス関連で話すと色々と不寛容な話になりがちです。相手を理解しようとする気持ちを人類は永遠に得ることは無いのでしょうか。ということを改めて思う映画です。
話のストーリーを詳しく書くことはしません、というかお前のブログはいつもそうだよと言われそうですね。シェークスピアの古典的名作ですからストーリーも判って観ています。それでもやはり心を打つのは不寛容を乗り越えた一途な愛。ちょっと気恥ずかしいのは歳を取ったからでしょうか。
そもそもロミオとジュリエットが悲恋となるのも、2人の実家が犬猿の仲でそれなのに出会い恋に落ちてしまった。そして悲劇。この2人の死で諍いは終わるという話です。だったら最初から和解しなさいよとも思いますが、ローマ教皇派と神聖ローマ帝国皇帝派の闘いらしいです。それなら2人の死ではとても終わらない気がしますけど…。
もう言い尽くされていますが主演の2人の瑞々しさにやられます。オリビア・ハッセーの14歳はちょっと無理があるかなとは思いますが、白人さんってこっちから見たら大人に見えるので欧米の方々には違和感が無いのかもしれません。
それでもあどけなさの残るオリビアの美しいこと。レナード・ホワイティングはまごうことなき美少年です。この2人はもしかしたらこの映画に出たが為に色が着いてしまい、その後の役者人生があまりうまく行かなかったのかなぁというようなことも考えさせられます。
映画自体は現代風な解釈がなされたということですがもう50年以上前の現代風なので、今の人はどこが?という感想になるかもしれませんね。そういえば愛の交わし方とかは昔の映画、演劇風では無いです。ディカプリオ版も観てみようかな。そちらも図書館にありました。
それと戯曲を映画にしていますので主役の2人がやたら自分の気持ちを口に出しています。映画なのでもっと違う演出があったとも思いますが、これはシェークスピア劇なので原作を踏襲しています。
子どもの頃にテレビで観て以来今回改めて観ている訳ですが、ストーリーも結末も把握しているのに引き込まれるこの感じ、やはり古典の名作の力なんでしょうね。それとニーノ・ロータの曲の力も強いので物語を更に盛り上げています。
途中intermissionという字幕が入ります。要は休憩です。でもこの映画って2時間20分程度のものなので特に休憩は要らないと思いますが、演劇ですと1幕と2幕の間になります。なのでこれも原作に忠実にということですね。
このブログを読んでいるような世代の方ならとうにご存知でしょうが、オリビアは後に布施明さんと結婚そして離婚します。クラスの男子は「布施明いいなあ〜、だって…」おっぱいばっかり見てるんじゃ無いよ!…って若かったんだなああの頃、何かしんみり。