マガジン リッキー・リー・ジョーンズ 自腹CD

遂に始まってしまいました。自腹CD/DVDのコーナーです。本来は隠居?の身なめあまりお金を使わずに、かつ電脳を駆使しないでというコンセプトを考えての企画でした。でもこんな状況ですので仕方ありません。くどくど言わず始めましょう。

こちらは私が最初に買ったCDではありませんが、人生で一番聴いた若しくは手持ちのCDプレイヤーに一番載せたCDになります。又、最初に買ったCDを一度も売らず引っ越しなどしてもそのまま持ち続けている数少ない物です。

リッキーのアルバムで一番売れたのがデビュー盤の「浪漫」次が2枚目の「パイレーツ」です。それらも結構な頻度で聴いてはいるし、それぞ相当に良いアルバムですがマイ・ベストはこの「マガジン」になってしまっています。

それまでの彼女のアルバムとは異なりというか後のアルバムでも無いのですが「グラヴィティへのプーレリュード」というピアノ曲で始まっています。寂しい感じの曲ですが、その中に新たに湧いてくる希望とかの感情を表現しているのかな、とか思っています。

プロデューサーがワロンカー&タイトルマンからジェームズ・ニュートン・ハワードになり、硬質な研ぎ澄まされた音になっています。自身の内面をじっくり表現しているのだと思います。ジャケットもそのまま自分ですし。

ひとつひとつの楽曲はポップに仕上げていたり、ジャズ要素を取り入れていたりのいつもの彼女なのですが全体的に静謐で音が本当に美しい。この後結婚し次のアルバムが全体に暖かい印象なのと本当に対照的です。

中でも「グラヴィティ」の his lip, no, his back, no, his face, no の所の小気味良い掛け合いがとても好きです。掛け合いと言ってもどっちも彼女の声なんですけど。本当、最初から引き込まれてしまいます。

「マスト・ビー・ラヴ」は彼女のライブで良くやってます。出だし静かに始まりますが、Bメロではしっかり歌い上げます。以前彼女のライブを観た時に、席がスピーカー前の席だったのですが地声がしっかり聴こえてきて、声は意外と大きいんだなと思ったことを思い出しました。

最初の「グラヴィティへの〜」と最後の「無署名のペインティング-ウィアード・ビースト」が同じトーンで繋がっており、トータル・アルバムと言うと大袈裟ですが通して聴いても纏まりがあります。

一時部屋にこもってずっと聴いていました。人生で一番聴いたアルバムですのでまあそうなりますよね。セールス的にはそれまでの様な数字を稼げませんでしたが、むしろそれ以降の数字に拘らない、音楽家としてのリッキー・リー・ジョーンズが始まった作品でもあるのかなと思います。勿論数字も気にはしてると思いますけど。

因みにリッキーはデビュー前にトム・ウェイツと交際していたそうです。彼のアルバム「ブルー・ヴァレンタイン」の裏ジャケットの後姿の女性はリッキーです。トム・ウェイツは知名度はあるものの若い頃は売れず、逆にリッキーはデビューから売れてだんだんセールスはトーン・ダウンして…。なかなか難しいものですね。

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