ジャズのCDを今まで取り上げたことはありませんでしたが、今回初めてマイルス・デイビスを。ベタだと言われそうですが、ジャズのアルバムと言えばまあこちら、「カインド・オブ・ブルー」が妥当かなと。
ジャズとひとことで言ってしまっても歌物もありますし、ビッグ・バンドで交響曲かと思えるようなものもあります。歌物ですとマンハッタン・トランスファーを取り上げていますが、あのグループジャズも歌っている、という感じですのでちょっと違うかな。
このアルバムに関しては全ての曲、どこかで聴いたことがある曲ばかりだと思います。違いますね。ワタクシ、カフェ巡りなどしているものですから、比較的ジャズを流している所が多いので特に何となくの聴き方をしているのかもしれません。

ビル・エヴァンスのピアノとジョン・コルトレーンのサックスと、後世の人間からすると何と贅沢な顔ぶれなんでしょう。それを集められるマイルスの凄さもあるのでしょう。しかもちゃんと調和しています。
これがしっかり構成を考えて演奏している訳ではなく、即興演奏、まあ基本的なリズムはあるもののその場の感性で作られているってどういうこと?それがジャズだ、と言われればそうなんでしょうけど。
それと全編で正確なリズムを刻むジミー・コブのドラムとポール・チェンバースのベースがあるからマイルスも安心して演奏を「はみ出せる」んでしょうね。エヴァンスのピアノも時に変拍子になっていますし。
デューク・エリントンとかのスウィング・ジャズのような華やかさとは無縁の世界です。そう考えるとジャズの世界って幅広いですよね。ジャズは目を瞑って聴くもの、昔大人にそう聞かされましたが本当にそんな感じです。
ジョン・コルトレーンはこのレコードが発売された翌年、彼の代表作とも言われる「ジャイアント・ステップス」を発表します。ここでの経験が活かされたのでしょうね。でもその7年後に他界。この時代のジャズマンは早死の方も多いですけど。