最近は藤井君フィーバーも大分落ち着いて来ていますが、将棋や囲碁については一定以上のファンがいますので、一時的な人気というのは将棋界としては一種のボーナスみたいなものとして考えるのが正解だと思います。
平成の始めに一躍時代の寵児となったのが本タイトルの主役たる羽生善治九段です。永世称号は基本引退後の襲名なので現状では段位での呼称となります。藤井七段がどこまで強くなるかは未知数ですが羽生九段とは時代が違いますので、例えタイトル数などで超えられなかったとしても比較しないであげて欲しいと思います。
本タイトルはBS-NHKの100年インタビューという番組の羽生善治さんの回です。盤面の状態から推測しますとそれなりに借りられてはいるみたいです。やっぱり一定数のファンはいますね。出演者は羽生九段とインタビュアーの2人、他の棋士のインタビューも入ったりはしますがほぼこの2人しか出ていません。興味のない方には全て視聴するのは厳しいと思います。
将棋の歴史は平安時代辺り迄遡るのですが、体系的に研究が進んだのがここ20年くらいという話をされています。このインタビューが約10年前なので30年前ということになりますが、逆にそこを突いて成長してきたのが羽生九段以降の棋士ということになります。
最後の方で人間対コンピュータという話が出てきます。もう今は名人がコンピュータに負けてしまったという結果が出てしまっている以上人間が…という話は非常にしにくいのですが、未だ10年前は人間の方が上ということになっていました。羽生九段も他のインタビューではいずれ抜かれるという話はしています。でもこのインタビューではいささか楽観的な話もしています。
羽生九段も今年で50歳の大台に載ります。昨年末頃から順位戦A級を維持するのが危ないのではと言われていました。ところが先月の対局にて降級は回避され、今月の最終局の結果如何では2位フィニッシュもあり得る状況になっています。相変わらず想像の斜め上を走り続ける人だなあと感心するやら何やらで、天才のことは凡人にはわかりませんという普通の感想しか出てこないという結論で本稿も終わってしまいます。