ヴェリー・ベスト・オブ・フリートウッド・マック 図書館CD

前のマイケル・ジャクソンにはかないませんけど、このグループに関しても説明不要としたいところです。でも90年代以降大幅に失速してしまい知っていらっしゃる方でも「ああ、久しぶりに名前を聞いた」という感じになると思います。私車に乗るとよくラジオを聴くのですがあまり特集もされませんし曲そのものもあまり掛かることがありません。

1967年に結成、最初はブルースロックバンドでした。そこからメンバーチェンジを重ね、解散の危機も乗り越えて1975年にアルバム「ファンタスティック・マック」の大ヒット、そして1977年にはアルバム「噂」で31週連続NO.1の桁外れの大ヒットを放ち、スーパー・グループの仲間入りとなります。

本タイトルはその「ファンタスティック・マック」以降のベストという形になりますが、全盛期最後の「タンゴ・イン・ザ・ナイト」迄がメインです。当然ながらヒット曲がズラリ。でも全米1位を取ったシングルは「ドリームス」だけです。メガヒットアルバムはあるけどメガヒット曲がない、これがラジオなんかでは取り上げにくい要因かも知れません。

基本的には3人のヴォーカルがそれぞれ曲も書いて、グループに落とし込んだ物をアルバムにするという形ですが、ピアノのクリスティン・マクヴィ(女性)、ギターのリンジー・バッキンガム(男性)、ミステリアスなスティービー・ニックス(女性)という感じですが、クリスティンとリンジーは本職の楽器が違うと曲もこんなに変わって来るのね、というのが本当に良くわかります。

「ドリームス」「リアノン」という非常に魅惑的なナンバーはスティービー・ニックスの曲ですが、何とも不思議な世界に引き込まれるナンバーです。「ソングバード」はピアノの調べの美しいラブ・バラード、昔何度も聴きました。「マンディ・モーニング」は快活なポップ・チューン。リンジーとクリスティンの共作「ドント・ストップ」も軽快なギターが印象的。ビル・クリントンの選挙のテーマ曲にもなりました。

挙げていくと本当にキリがないのですがどうでもいい話を一つ。「リアノン」という曲は最初邦題が「ライアノン」になっていました。曲を聴かないで単語の綴りだけで付けちゃったんでしょうね。今は変更されています。しかし昔はこんな風に適当だったなあと思うと懐かしいやら何やらと。

ロック界は未だ男性優位の世界です。ウォール・ストリート・ジャーナルの「史上最も人気のある100のロック・バンド」というランキング記事でベスト10には女性の影もありません。強いて言えばガンズ&ローゼス(9位)に今、女性のキーボーディストがいるのが唯一かしら。11位が本バンドでそこから35位まで下がってハート、39位にアバ、全て女性のバンドなんてランキングに影も形もありません。

そんな中スティービー・ニックスが2019年にロックの殿堂入りを果たしました。バンドとしても1998年に殿堂入りしており、2度の殿堂入りは女性としては初めての快挙となりました。御歳71ですがこれからもまだまだ良作を聴かせて欲しいし後に続く女性が出て来て欲しいです。

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