日本のラグビーファンにとっては1995年のラグビーワールドカップは屈辱の大会でした。正直思い出したくもないくらいの惨敗で、この映画でもセリフに入っていますが145-17という今でも大会記録の失点でオールブラックスに敗れています。
ですが開催国南アフリカにとってはアパルトヘイト政策を終え、国際舞台への復帰の足掛かりになる大きな意味のある大会でした。私ラグビーファンなのでこの大会の試合は結構見ていました。
ラグビー関係の話をすると終わらなくなるので取りあえず置きますが、ネルソン・マンデラが大統領になって白人と黒人の融和をしていこうとしてラグビーに目を付けた感じでした。やはり勝たないと盛り上がらないですから南アフリカといえばラグビーでしょうね。
それとやはり国の中心はずっと白人だったので、白人を排斥だけしてしまうと国家として成り立たないという事情もセリフの中でありました。この辺りはマンデラ大統領の器の大きさもありますよね。
でもやはり南アフリカではラグビーは白人のスポーツ。この時の代表にも史実として黒人はチェスター・ウイリアムズしか入っていませんでした。この人は当時相当政治的に利用されているなあと感じたものです。
負け続けの南アフリカ代表チーム、スプリングボクスが頑張って世界一になったというストーリーですが、元々南アフリカは弱いチームではなく、アパルトヘイトの制裁で対外試合が何年もできず強化できなかった事情があります。映画では端折っていましたけど。
史実でも国際舞台から遠ざけられていたスプリングボクスが復帰、最初のワールドカップを母国開催で優勝。白人の象徴のようなスポーツで黒人大統領のマンデラから優勝カップを貰うという映画みたいなストーリーをそのまま映画にした感じです。
モーガン・フリーマンのマンデラはとても雰囲気合っていましたし、マット・デイモンのピナール主将も良かったです。これなら映画公開時に観ておけば良かったと単純に思いました。ラグビーワールドカップが始まりましたが今回はどうなりますかね。