アマデウス 図書館DVD

神聖ローマ帝国の宮廷音楽家として名声を獲得しているアントニオ・サリエリが、自分より若く才能溢れる天才ウォルフガング・アマデウス・モーツァルトに激しく嫉妬しつつ、打ちのめされながらも認めざるを得ない苦悩を描いています。

サリエリは最後に自分を凡庸な人間側に置いていましたが、モーツァルトの凄さを本質から理解出来るくらいの能力はあるので却って苦しんでしまう。モーツァルトの人格に問題がある設定なので未だそこを低く見ることで正気を保っている感じです。

この作品はサリエリという人物の目を通してのモーツァルトの紹介映画という面もあります。というかサリエリの気持ちに乗っかって行くとどんどん辛くなっていきます。だって大半の人はサリエリ側の人間ですから。

モーツァルトの紹介映画として観ていくとフィガロの結婚があったり魔笛があったりで、ドイツ語のオペラが無い話とかも感心して観てしまいました。文化はイタリア、というのはやはりメディチ家の影響なんでしょうね。

こちらずっと借りようと思っていた作品なのですが、何となく借りずじまいになっていました。中学生の頃に観て大変後味の悪い印象だったものですから。今はもう少し気持ちを引いて観ることもできますが。

最初のサリエリの「モーツァルトを殺した」は狂言でしたけど、いっそモーツァルトを殺した方が名前が残るんじゃないかと思ったのかな?でも音楽家としてのサリエリの評価はこの映画のような物ではなく、現代にも作品は残っているようです。メジャーではありませんが。

ほとんどの人間は凡庸でというのは今の自分は素直に受け取りますが、やはり何者でもない中学生には辛いラストシーンでした。今回見返しましたが若い頃の気持ちが蘇り、やはり刺さっていた棘も思い返してしまいました。まああの頃よりは一歩引いて観ることは出来ましたけど。

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