ようやく、ようやく図書館が再開しました。5月31日迄閉館、6月1日は定休日なので2日にオープンしました。前で待っていた訳ではありませんが早速行ってみました。そして借りました「ある愛の詩」。
アメリカでは1950年代にテレビが普及し少しずつ映画産業が斜陽となってきます。そうして1960年代の後半からニューシネマというムーブメントが起こります。若い人には「新しく無いし」と言われそうですが。
それまでの夢物語みたいな映画から戦争やギャングなどを出来る限りリアルに描いて行く流れです。ちょっと子どもには見せたく無いような描写も増えていきます。オードリー・ヘップバーンが一時休業するのもこの頃です。
映画の歴史みたいな物を見るとニューシネマの時代に突入して、今までの映画が死に絶えたように感じられます。でも世の中そんなにいっぺんには変えられる訳もなく美しい映画はいくらでも出てきました。
本タイトルは1970年作ですからニューシネマ全盛時代に作られたものです。夢物語ではありませんがお金持ちの御曹子と貧乏娘の悲恋物という、こんなベタなストーリーで良くこれがあの時代に売れたなあと思います。
ストーリーは至ってシンプルで、お金持ちの御曹子オリバーと貧しい苦学生の女の子ジェニーが恋に落ち、親の反対を押し切って結婚し軌道に乗り始めたら妻が不治の病に掛かり…、というものです。更にオープニングが妻が死んだという回想から始まるので結末も分かってから観るという…。
このブログでは最初の方にご紹介しました「ペーパー・ムーン」の父親の方、ライアン・オニールと後のスティーブ・マックイーンの奥さんになるアリ・マッグローの主演です。このジャケットも美しいですね。どちらも大好きな俳優さんです。
続けてご紹介していますが「小さな恋のメロディ」では恋人同士が親から逃げ出す所で終わっています。多分すぐに見つかって怒られるという落ちでしょう。「フレンズ」は駆け落ちから連れ戻され「続フレンズ」に続きますが、現実は厳しく結局別れを迎えることになります。
こちらは学生とはいえ自立出来る男女ですから何とか暮らして行くことが出来ました。こちらの話では親も子どもの話を全く聞かない訳ではなく、結婚は学校が終わる迄待てと言っています。心変わりもするだろうということも考えてのことかも知れませんけど。
しかしお金持ちの息子という所も魅力ではあったとジェニーは正直に言っていますが、その恩恵はほとんど受けられずに亡くなります。現実の話で有ればちょっと理不尽だなと思いますが、それが更にこの恋愛をピュアな感じに演出しています。
そして映画音楽がフランシス・レイ、テーマ曲はあまりにも有名で一度はどこかで聴いたことがあると思います。「白い恋人たち」のテーマも有名です。あちらは記録映画用の音楽なんですがサントラ集とかでは何故か愛のテーマの中に入っていたりします。
若い頃にときめいた3つの映画をご紹介して来ましたがどれもこれも大好きです。今の若い人たちがこれらの作品を観てときめくかは分かりませんが、何か思い出になるような映画を何本も観ておくといつまでも楽しく、私ならキュンとして過ごせるのではと思っています。