エドワード・ヴァン・ヘイレンが亡くなった時ショックを受けて文章を綴りましたが、実はジョン・ウェットンが3年前に亡くなった時の方がガックリ来た覚えがあります。キング・クリムゾンとエイジアは本当に大好きで彼の歌声はずっと心に残っています。
エイジアはそのウェットン、ジェフ・ダウンズ、スティーブ・ハウ、カール・パーマーというキング・クリムゾン、イエス、エマーソン・レイク&パーマーで活躍した人たちが結成した文字通りのスーパー・グループです。
アルバムで言うと1枚のスーパー・ヒット、1枚のスマッシュ・ヒット、後はまあメンバー・チェンジも激しいし仕方ないのかなあという感じです。セールス的にも。デビュー・アルバムが上手く行き過ぎたんだと思います。
第一プログレそのものがあまり売れる音楽ではないですから。ピンク・フロイドが異常なだけです。70年代からスタジアム・ロックの時代が訪れますが、マニアックな音楽には厳しい時代だったと思います。
そういえば80年代になってジェネシスはフィル・コリンズ主導でポップ路線、イエスはロンリー・ハートでポップ路線、復活クリムゾンも初のアメリカ人を入れて作風を変えています。エイジアの「プログレ・ポップ」路線も恐らくその流れだったんだと思います。
本タイトルは彼らのデビューから3枚のアルバムで変則の編集盤、シングルのB面2曲を年代順、アルバムは収録順全て収録されています。年代順に追えるのは良くどんどんプログレ色が無くなって行く過程も解ります。
ただCD2枚組でヒット曲はDISC1にしか入っていないという、非常に偏った構成になっています。ライトなファンのことは考えていません。2枚目のアルバムからのヒット「ドント・クライ」と「偽りの微笑み」くらいはDISC2に回しても良かったと思います。
でも売れなかった3枚目でも「トゥー・レイト」とか私が好きな曲はあるんです。編集盤の4曲も結構好きだったりします。でも「ヒート・オブ・ザ・モーメント」「時へのロマン」のやたら派手なサウンドがやっぱりエイジアなんですよね。カッコイイし。
エイジアはジョン・ウェットン最後の輝きだったんだと実感しています。ご興味を持ちましたら一度聴いてみて頂けたらと思います。ウェットンのボーカルで言えばキング・クリムゾンのアルバム「レッド」も良いです。そちらは俳優の高嶋政宏さんがオススメしていますね。