セッション・ミュージシャンという人たちがいます。本当は自分のバンドとかソロとかで演りたいのでしょうが色々事情があって他の人のレコーディングに参加したり、ツアーのバック・バンドに入っていたりします。
ポップ・ミュージックというのは色々な要因が重なって成功したり残念なことになったりします。純粋に歌唱や演奏の能力だけでは決まりません。それだけなら一番上手い人が売れ続けなければおかしいのですが世の中そうはなっていないのが実情です。
TOTOはセッション・ミュージシャンが集まって出来たバンドです。色々な作品に引っ張りだこだった人たちの集まりです。演奏は間違いないのでしょうが一人ひとりはとても地味な人たちです。
ところがデビュー作からしっかりヒットを飛ばしています。こちらに収録されている「ホールド・ザ・ライン」はデビュー・アルバムの曲で全米5位となりました。アルバム自体も9位、本当に順風が吹いたデビューでした。
とはいえこのバンドの真骨頂は4枚目の「聖なる剣」でしょう。「アフリカ」「ロザーナ」「ホールド・ユー・バック」はやはり今聴いても良い曲です。マイケル・ジャクソンの「スリラー」を押し除けてグラミーのベスト・アルバムを受賞しています。「スリラー」にはメンバー複数名参加しています。
「99」や「パメラ」もヒットしました。でも個人的には先ほどの「ロザーナ」が大好きでした。これ、別れ歌なんですよね。離れても忘れられないよ、ロザーナ、といった感じでしょうか。歌詞は読まない方が良かったと思った記憶があります。
日本でも人気の高いTOTO、日本の有名な衛生陶器メーカーから名前を付けたとリップサービスをしたこともありましたが、どうも違うようです。オズの魔法使いのドロシーの飼い犬の名前からということらしいです。
そういえば先ほどの「ロザーナ」も俳優のロザンナ・アークエットのことを歌ったという話がありますがこれも違うようです。何が本当なのか良くわからなくなりますが、そんなことはどうでも良いと思わせるような良曲の数々、聞き飽きること無くずっと聴いています。